先日、新しい総理大臣が選出され、日経平均先物の価格が急変動するなど、SNSではにぎわっています。
今回は、日本の政治と経済の関係について、お話しします。総理大臣が交代すると、日本の株価はどう反応するのでしょうか?
過去30年のデータを紐解いて、その傾向を探ってみましょう。
驚きの事実: 総理就任後の株価変動
過去のデータを分析すると、いくつかの興味深いパターンが浮かび上がってきます。
- 急落のリスク: 麻生総理就任時(2008年)には、わずか1ヶ月で41%もの急落を記録しました。これは、リーマンショックの影響も大きかったと考えられますが、政治の不安定さが市場心理に与える影響の大きさを示しています。
- 上昇の可能性: 一方で、安倍総理(第2次)就任時(2012年)には、5ヶ月で81%という驚異的な上昇を見せました。これは、アベノミクスへの期待感が反映されたものと言えるでしょう。
- 短期的な影響は限定的?: 最近では、菅総理就任時(2020年)のように、就任直後の株価変動が小さいケースも見られます。これは、市場が政権交代をある程度織り込んでいる可能性を示唆しています。
総理就任と株価の関係: 3つの重要ポイント
- 政策への期待: 新総理の経済政策への期待が大きいほど、株価は上昇しやすい傾向があります。
- 政権の安定性: 長期政権が予想される場合、市場は好感する傾向があります。データ分析の結果、首相の在任期間が長いほど日経平均株価は上昇しやすい傾向が見られました。
- グローバル経済との連動: 総理交代の影響よりも、世界経済の動向や為替相場の影響が大きい場合もあります。近年、日本株の為替感応度は高まっており、米国株と逆行して日本株が上昇する場合、82%の確率で円安が要因となっています。
日本の過去の総理大臣就任日と株価の関係性
選出日 | 選出日の日経平均株価指数(千円) | 期間(日) | 時期総理選出までの日経平均上昇(千円) | |
村山総理 | 1994年6月26日 | 26 | 564 | -5.4 |
橋本総理 | 1996年1月11日 | 20.6 | 1932 | -6.5 |
小泉総理 | 2001年4月26日 | 14.1 | 1979 | 1.6 |
安倍総理 | 2006年9月26日 | 15.7 | 365 | 0.8 |
福田総理 | 2007年9月26日 | 16.5 | 364 | -4.4 |
麻生総理 | 2008年9月24日 | 12.1 | 357 | -1.7 |
鳩山総理 | 2009年9月16日 | 10.4 | 265 | -0.8 |
菅総理 | 2010年6月8日 | 9.6 | 451 | -0.6 |
野田総理 | 2011年9月2日 | 9 | 481 | -0.2 |
安倍総理 | 2012年12月26日 | 8.8 | 2821 | 14.7 |
菅総理 | 2020年9月16日 | 23.5 | 383 | 6.2 |
岸田総理 | 2021年10月4日 | 29.7 | 1089 | 10.1 |
2024年9月27日 | 39.8 |
投資家の皆さんへのアドバイス
- 長期的視点を持つ: 総理交代後、1年程度は株価の下落が続くこともあります。過剰なリスクを取らず、長期的な視点で投資を行いましょう。
- 政策動向をチェック: 新総理の経済政策、特に日銀の金融政策や住宅ローン金利への影響などを注視しましょう。
- グローバル経済を見る: 日本株は米国経済や為替相場の影響を受けやすいため、国内政治だけでなく、世界経済の動向にも注目しましょう。
総理大臣の交代は、確かに株価に影響を与えます。しかし、それ以上に重要なのは、その後の政策展開と世界経済の動向です。投資家の皆さんは、これらの要因を総合的に判断し、冷静な投資判断を心がけましょう。
政治と経済の関係は複雑ですが、だからこそ面白いと思います。
株式市場は上下を繰り返し、値動きがありますが、長期目線で気長に投資できる銘柄選びと分散投資が大切だと思います。
ポートフォリオについてはこちらの記事で執筆していますので、良かったらご覧ください。
【40代向け】安定した資産形成を目指す分散投資ポートフォリオの具体的な組み方
これからも、マクロ経済の動向に注目しながら、一緒に日本経済の行方を見守っていきましょう!
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