前回の記事に引き続き、今回もiDeCoについて考えてみました。
政府が作ってくれた税制優遇制度には新しいNISAとiDeCoがありますが、どちらの方がお得なのか、疑問に感じている方も多いと思います。
今回の記事では新しいNISAとiDeCoの優先順位について、私の考えをまとめていきたいと思います。
結論から言うと、私は①新しいNISA>②iDeCoの順番で投資していきたいと思います。
これは、新しいNISAのメリットは分かりやすく、iDeCoのメリットは受取時まで分かりづらいためです。
今回の記事ではこのような結論に至ったのか、私の考えをまとめてみました。
新しいNISAのメリット
新しいNISAのメリットはなんと言っても運用益(売買益や配当金など)が全額非課税になることです。
投資元本が最大1800万円に対して、運用益が全額非課税と分かりやすく、適切な投資対象を選ばれている多くの方にとってメリットはかなり大きい制度だと思います。
特に投資期間が長くなるほど、運用益が増えた場合の非課税メリットは大きくなります。
例えば通常の特定口座で長期投資を行い、1000万円の運用益が出た場合、所得税の15.315%と住民税の5%を合わせて、通常は約203万円の課税がされますが、NISAであれば運用益が非課税とメリットが大きいです!
もちろん運用益に対して課税がされない制度なので、利益が出なければメリットは得られません。
投資対象選びが大事になってきますので、私は長期での成長に期待してS&P500銘柄をコアにサテライトで他の投資対象を組み合わせていく方針です。
iDeCoのメリット
iDeCoメリットは次の3点です。
- 掛金が全額所得控除
- 運用益も非課税で再投資
- 受け取るときも大きな控除
NISAに比べると分かりづらいですね。
簡単に言ってしまうと、iDeCoは働いている現役時代の税金は安くなるけど、引退して受け取る時に課税されます、ただ、受取るときも税額控除の制度を利用できますよといったものです。
う~ん、なんだか分かりづらい…
具体的なメリットとして将来どの程度得られるのか想定しづらいということが、iDeCo特徴だと思います。
なぜNISAを優先しようと思ったのか
私はサラリーマン投資家なので、定年まで働いた場合、引退時の退職金と引退後の年金をある程度は受取れる見込みです。
iDeCoは将来もらえる退職金や年金が少ない方にとっては、比較的、控除の割合が大きくなり、税額控除という面ではメリットが大きくなります。
逆をいうと、退職金や年金をある程度もらえる方にとって、どの程度の税額控除メリットが得られるか予測がつきづらいです。
とはいえ、多くの方にとってメリットの多い制度です。
このため、私にとってはそこまでiDeCoの優先順位が高くなかったということが、NISAの優先順位を高くした大きな理由です。
その時の状況により、メリットに変動があるiDeCoよりも、株価が上昇すれば運用益が非課税という確実で単純なメリットを取っていくため、私はNISAを優先しようと思いました。
日本の企業の給与収入は年功序列で増えていくことが多いので、年齢とともに給与収入が大きくなった段階でiDeCoによる控除を受けたほうが得られる節税メリットが大きいなどの理由も総合的に勘案しての判断です。
なので、新しいNISAを満額埋められる見込みがついた段階で、次のステップとしてiDeCoに挑戦していきます。
この判断は各々の状況により変わってくると思いますので、ご参考としていただければと思います。
新しいNISA⇒iDeCo投資開始のタイミング
それでは、新しいNISAを優先するとして、どのタイミングでiDeCoを始めるのか、考えてみます。
そもそも、iDeCoのメリットが得られることが前提となりますので、前回の記事も合わせて読んでいただければと思います。
私は新しいNISAについては、満額の1,800万円まで枠を埋める予定です。
この目標を達成するためには、投資元本1800万円を確保する必要があり、年間投資枠の360万円/年×5年間をかけて埋めていく計画です。
年間の給与収入から投資に回せる金額が120万円だとすると5年間で600万円、現在投資に回せるお金を1,200万円持っていれば、理屈上はiDeCoへ投資することが可能となります。
このあたりは各々の収入や家族構成、今後のライフイベントで必要になる資金によっても変わるため、ご自身の状況に当てはめて考えてみていただければと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
NISAとiDeCoどちらかを優先すべきかは人それぞれの状況によると思います。
それぞれ、メリットの大きい制度です。
将来を見通して、一度ご自分の人生のライフイベントを想定して、いつ頃どのくらいのお金が必要になるか、ライフプランニングの資金計画を考えてみるのも良いのかもしれませんね。
こういった計画はFP資格の勉強をする中で学ぶことができますので、気になる方は参考書など見てみるのも良いかと思います。
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皆さまの資産形成のご参考になれば幸いです。
本記事は私の経験を述べたものであり、投資推奨ではございませんが、私の経験が何かしら参考になれば幸いです。投資判断はご自身の判断で行ってくださいね。